ハガレン15巻感想

タイトルどおりネタバレいきます。
コミックスまだ読んでない方は要注意。
ガンガン派の方は･･･　私の感想すっごい下手なんで気をつけてください。

ホークアイ中尉の背中の謎(でもないけど)が明らかになる15巻です。
背中だけじゃなくて、まぁ･･･うん。イシュヴァールの内乱の全貌が明らかになる15巻。
たとえば、
・マスタング大佐の補佐官が中尉なわけ　(うすうす作中でも出てたけど･･･ね)
・中尉の背中の火傷みたいな跡のわけ
・ロックベル夫妻のがんばりとスカーの復讐までの道
などなど。ね。


しっかし、まぁ･･･中尉に銃を返して話してるエドはかわいかった。
露骨にお茶(コーヒー？)噴いちゃったからね。ハヤテ号に向かって。
あ、大佐の師匠はホークアイさんだったのね。中尉のお父さん。
扉絵で怖い顔のおっさんだなーとは思ってたんだけど(Webガンガンより)
しかも軍の狗になったっていう報告の日になくなってしまうとは。

話は7年前。7年だっけ･･･とにかく殲滅の命が出た年のこと。

士官学校に通ってたリザさんは イシュヴァール殲滅に連れてかれてました。
まだ完全な軍属じゃないって感じの描かれ方でしたが、
ヒューズ大尉に｢鷹の目｣と言われてたあたり、実力はすごそうです。
マスタング少佐は ｢人殺しの目｣･･･結局みんなそうなってました。
アームストロング少佐も 壁を練成してヒトをふさぐといった方法で参戦。
でも 壁の向こうで起こっていることが怖くて、反対側から来たイシュヴァール人に道を通す。
･･･通すけど、キンブリー少佐によって彼らは殺されました。

キンブリー少佐は思ったほど狂気づいてなかった。
淡々と冷酷に任務をこなすというか。そう、もううれしそうに冷酷に。
このヒト最後には マルコーさんがつくった賢者の石を飲んじゃうんですよ。
で、その施設を爆発させて脱出。もっのすごい笑い声だけど、
賢者の石を飲んで拒絶反応というかそういうの
(14巻の若かりし日のブラッドレイさんみたいな)には･･･ならないんすかね。

とにかく殺すことだけにこだわったとある将軍(名前忘れた)は、
グラン少佐の｢流れ弾｣であっけなく部下に殺されました。
戦争の死亡原因の2割は、部下によるものだそうだ。　とのこと。
鉄血っていうぐらいだから 少佐もその将軍と同じように冷酷なのかとおもったら、
ヒューズ大尉と同じ考え方でしたね。
イシュヴァールの宗教のトップのヒトが命乞い(自分を殺す代わりに残りのイシュヴァール人を救って)を
しにきたんですがね、それも｢殺せ殺せ｣という将軍ですよ。そういうタイプは駄目ですね。
無駄に部下を死なせちゃって･･･　日本の特攻部隊を彷彿させる感じ。
で、大総統に合わせるまではうまくいったんですが、
やっぱ大総統は人間じゃないだけあって、うん･･･でも、
｢神は人間がつくりだしたもの。神の鉄槌などというものは･･･所詮人間によるものだ。｣
みたいなことを言ったのには素で納得。
でもその場で切り伏せるとかしなくて安心だったよ。

ヒューズ大尉のブラックジョークといいますか、そういうのも効いてて･･･
ああ、あと、グレイシアさんから手紙が届いたっツー話もちゃんと載ってましたよ。
フィギュアインブック(ブックインフィギュア？あれ？)BLUEのマンガでは語られなかった、
細かいとこまでね。
｢ヒューズ。ドラマや小説の世界では 戦場で恋人に思いを馳せてる奴は大体すぐ死ぬぞ。｣
マスタング少佐･･･！！
真顔じゃなかったあたり ここはギャグシーンですがね＾＾

ロックベル夫妻は ホントに最後の最期までみんな診てましたよ。
最初に イシュヴァール人が｢アメ人なんかに診てもらってたまるか！！｣なんて
意地はってましたが、｢どうせこういうところで助けて俺たちからの評価を｣云々言ってるときに、
｢偽善者で結構！　やらない善よりやる偽善だ！｣とロックベルさんが言ったのには感動。
ですよね。やらない善よりやる偽善。　･･･それより夫のほう名前忘れててごめんなさいorz
でも ホント殲滅の前あたりはまだほほえましかったです。
肌の色関係なく 病院(あくまで野戦病院)周辺はみんな笑顔で、
夫妻に手当てしてもらった子たちもお手伝いとかして･･･

なんつぅか･･･ 人殺しの目してても、実際にたくさんのヒトを殺してきてても、
｢どうしてこんな戦争が･･･｣ってみんな言ってました。
マスタング少佐の決意はよかったです。ねずみのトップ。いいじゃないっすか。



でも、この巻全体を通して印象に残ってるのは、
荒川先生に戦争体験を話したヒトがぽつりと言った言葉、
｢戦争に関する作り話は観ない｣
実際にそういうのを経験したヒトは 作り話じゃ･･･ねぇ。。
でも、そういう作り話があるからこそ、うちらが戦争ってことを知ることができる。
もちろん実際に経験した苦しみは分からない。
けれども、そういうのをきっかけに｢戦争は怖い｣｢繰り返しちゃいけない｣っていう意識が
ひとりでも多くもてれば、それは十分な｢過去の反省｣なんじゃないすかね。

憲法9条改正がどうのこうの言われてた時期がありましたが、
日本は戦争放棄でいいじゃないですか。自衛隊があるし、アメリカの言いなりだし。
そんなことより ひとりひとりの心の片隅にでも
｢戦争は他人事じゃない｣って意識があれば、国が戦争をする方向には向かないでしょう。

ほかの国が戦争をしていることに心を痛めるのは 二の次じゃないかと。




長くなりましたが、あれこれ考えたことはこういうこと。
大事なことは最後のほうですね、何でも。(･･･；