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「――ちゃん、……のどかちゃん」
昔から変わらない、いつもの声が
のんびりと私を呼んでいる。
「……ん…」
「のどかちゃ……あ、起きた?」
机に突っ伏す形で寝てたらしい。
まず一番に視界に入ったのは、
手前で組んでいる紺色の袖……つまり制服で…
次に視界に入ったのは、
馴染みのシャーペンと汚い字が走るノート……つまり勉強中で…
更に教室特有の喧騒。
「……えっ、私授業中に寝ちゃってた!?」
勢いよく顔をあげると、
前の子の席を借りて 椅子の背もたれに上体を預ける唯と目が合った。
「ううん、すっごく眠そうだったけど…最後まで起きてたと思うよ~」
…そう、言われてみれば… そうだった… ような。
あと5分というところで急に睡魔に襲われて、
シャーペンの先端を手の甲に刺してみたり
頬をつねってみたりして、その5分だけは何とかしのいだ。
終業の号令をかける頃には もう目の焦点も合ってなくて…
[これが6時間目でよかったわ…]
とか思いながら座った瞬間に意識が飛んだ。
…そう、確かこんな感じ。
ということは今は放課後で…
「私…何分ぐらい寝てたのかしら…」
「んー?」
更に顔をあげて時計を見ようとした。
おそらく時計も何も気にせず幼馴染を観察していたであろう彼女も
今の今まで時計は気にしてなかったのかもしれない。
一緒になって黒板側に体をねじっていた
……が
「……10分ぐらいだねぇ」
時計が掛かってるのは色で分かるのに
長針と短針の位置も見えず、文字盤までぼやけてる。
…視力が落ちたかもしれない。
またレンズを換えにいかないと……めんどくさい。